転職先を選ぶ際も意識しておきたい会社の与信とは?調べる方法も解説

探偵事務所

転職先を選ぶ際には、転職先の「働きやすさ」や「給与面」などが不安要素として真っ先に思い浮かびます。

確かに、ほとんど毎日出社する職場であるならば働きやすかったり、給与面の待遇が良かったりする方が良いものです。

しかし、それ以外にも意識して置くべきものがあります。

それは、就職を考えている企業の「与信」です。

ビジネスの場においてよく耳にする「与信」とは、企業のリスク管理をするうえで非常に大切なも指標です。

今回は、就職を検討する上で与信とはどのようなものなのか、どうやって調べるべきなのかについてご紹介していきます。

与信とは?

まず、与信とは一体何なのでしょうか。

与信とは、「信用を与えること」という意味になります。

企業間の取引であれば、製品やサービスの提供を行い、その代金を回収するのに1〜2ヶ月程度時間がかかるのが一般的です。

請求書支払いなどの支払いだと、特に時間がかかります。

売上にはなっているけれど、実際には代金が払われていない期間があるのは、相手に対して信用があるからできることです。

このように、相手に対しての信用が「与信」です。

この与信というものがなければ後払いの取引は出来ませんし、他の企業からの信頼もないということになってしまいます。

与信調査とは?

与信調査とは、企業の取引における信用状況について調査をすることを指します。

信用できる企業であるかどうかを確認する意味もあるため、「信用調査」と呼ばれることもあります。

この信用があるかどうかを調査する方法はいくつかあり、直接調べる方法やインターネットなどを利用した方法、信用調査会社への依頼、などが挙げられます。

個人が行う調査は限られてきますが、出来ないというわけではありません。

与信調査の方法は6つ!

与信調査を行う方法としては、主に6種類あります。

主に、社内調査、直接調査、官公庁調査、インターネット調査、側面調査、依頼調査の6つの方法を使って、調査を進めるのが一般的です。

それぞれの特徴について解説していきます。

【1】社内調査

社内調査とは、その名の通り、就職を希望している企業に対して、内部で調査を行うことです。

本格的な与信調査を行う前の下調べとして行うことが多くなっています。

退社する前に在籍している企業内で、もし転職先の企業と取引している形跡がある場合、その取引をした履歴を確認したり、取引資料を確認することでどのような企業なのかを確認する方法です。

可能であるなら、直接取引を行った部署から情報提供してもらうのもひとつの手段といえるでしょう。

取引を直接行った人から話を聞くことでより現場に近い意見を聞くことができます。

社内調査は費用も掛からずに行うことができるので現実的ですが、退社前に行わなければならないのと、限定的な情報しか入手できないというデメリットもあります。

【2】直接調査

直接調査とは、直接的にその企業に対して調査を行う方法です。

これも、前職に在籍しているときに行うのが良いでしょう。

その企業を直に訪れる訪問調査や電話調査、メールなどによる調査などがあげられます。

何度か行ったことのある企業であれば再訪問することもできますし、メールなどでヒアリングすることも可能です。

実際の会社の空気や雰囲気を知りたい場合であれば直接訪問するのが良いでしょう。

インターネットや内部調査だけでは把握しにくい、スタッフの様子や社内の設備なども確認することができます。

場合によっては、担当者に直接会って話を聞くことも出来るでしょう。

直接調査を行うデメリットとしては、企業によっては探りを入れられているようで不愉快に感じる場合もある点です。

やり方によっては相手に対する自分の信用を下げかねないということも頭に入れておきましょう。

直接調査を行う場合には、慎重な行動や言動を心掛けることが大切になります。

【3】官公庁調査

官公庁調査は、官公庁の公開されている情報から企業の実態を調査する方法になります。

法務局には、商業登記簿や不動産登記簿が登録されており、それらを閲覧することが可能になります。

商業登記簿を確認することで商号や所在地、移転の記録などを調べることができ、そこから過去の不祥事や与信がどの程度のものであるかを図ることができます。

経営状況や資本金も確認することができるので、債権譲渡がどのように行われているのか、動産譲渡が行われているのかなどの事も調べることが可能です。

また、不動産登記簿は、その土地や建物の所有権、移転した記録などの状況を知ることができ、経営状態を見ることができる情報源となります。

【4】インターネット調査

インターネット調査は、インターネットを利用して該当企業のホームページを確認したり、企業情報データベースを検索したりする調査方法です。

企業によっては決算報告をホームページ上に載せている場合もありますのでそういったところから経営状況を確認することができます。

人事についても記載している企業が多いので、頻繁に人事異動が行われていないかなどを確認することも可能です。

インターネット調査では、企業名を検索するだけで情報が得られるので、個人にとっては、この方法が非常が一番やりやすい調査と言えるでしょう。

しかし、インターネットに載っている情報は公開しても大丈夫なものが多い為、実際と異なる可能性もありますので、注意が必要です。

インターネット調査だけを信用するのではなく、他の調査と合わせて行いましょう。

【5】側面調査

側面調査は、直接調査と必ずセットで行いましょう。

側面調査とは、直接調査で調べた内容が事実であるかどうか、実際と相違がないかどうかの裏付けを行うための調査です。

調査対象は、会社が入っているビルのオーナーや他の企業や銀行などが当たります。

第三者からの意見や印象、実際の企業の実態を確認することでよりリアルな企業の内情を知ることができます。

調査する対象が信頼できる情報源かどうか見極めるのも大切になります。

【6】依頼調査

個人での調査は非常に難しいものになります。

集められる情報も限られてきますし、調査できる場所も限られてきます。

そんなときには、第三者に依頼して調査をするのが良いでしょう。

依頼調査には2種類あります。

一つ目は照合調査といい、これは企業や企業の関係先などに対して情報を照合してもらうという方法です。

専門機関に依頼することでその照合が可能になります。

もう一つは、依頼調査といい、企業の調査を専門的に行っている調査会社に依頼するという方法です。

照合調査と依頼調査は信頼できる情報を得られるだけではなく、個人では到達できないような情報源からの報告を受けられる点で非常に優れているといえるでしょう。

しかし、調査会社によっては、費用が高くつく可能性もありますので注意が必要です。

与信調査の流れと手順

それでは、一般的な与信調査の流れと手順についてご紹介していきます。

大きく分けて次のSTEP1〜3のような、3つの手順に沿って行いましょう。

Step1:個人調査

本格的な調査に入る前に、自分でできるだけの情報を入手しておく必要があります。

そのため、可能であるならば「社内調査」を行って過去に企業とやり取りしたことがある人やその情報などを調べていきます。

しかし、過去の情報だけでは実際の内容はわかりません。

※個人情報は個人情報保護法などに抵触する恐れがあるため、注意が必要です。

Step2:インターネット調査

社内調査だけでは分からなかったことを、インターネット調査で調べていきます。

企業名を検索し、どのような経営状態なのか、決算報告書が上がっている場合にはそれを確認しておきましょう。

インターネット調査だけでは心もとない場合には、官公庁調査で検索をかけてみるのも一つの手段です。

Step3:依頼調査

最後に、自分で思うような与信情報が得られなかった場合に、依頼調査を行うようにしましょう。

企業相手なので、企業案件に強く、調査力の高い探偵事務所などに依頼することで信頼度の高い情報を得られるでしょう。

与信調査を行う上で気を付けたい3つのこと

実際に与信調査を行う場合、注意しなければならないことがいくつかあります。

注意点1:会社や経営者の状態

会社の経営者がどのような人物であるかを知っておくことは大切なことになります。

経営者の人柄は与信や経営に直接的につながることになりますし、人柄がよい経営者の方が他社からの信頼も厚いものになります。

会社の経営状態などはデータや数値から判断できるものですが、会社の雰囲気や従業員の空気というのはデータ上では推し量ることのできないものです。

与信調査を行うのであれば、データ上の数値と合わせて会社や経営者の状態を判断していく必要があります。

与信調査の難しいところは、データ上のやり取りが多くなってしまうところなので、状況や状態を直接調査することも忘れてはいけません。

注意点2:資産状況・財務の状態

資産状況・財務状況を確認しておくことは、与信調査において重要なことです。

取引での売掛金を返済する能力があるかどうかで、今後の会社としての成長も変わってきますし、倒産などの経営不振もおおよそ予測することができます。

不動産登記簿を使って、税金未納や取引金融機関に対して未払いを起こしていないかなどをチェックしておきましょう。

企業の資金繰りがどの程度までできているのか、譲渡登記が行われているのかどうかも判断材料にしましょう。

注意点3:支払い能力の有無

企業の雰囲気や経営者の人柄がどれだけよかったとしても、支払い能力のない企業であれば、入社後にも不安が残ってしまうもの。

支払い能力が低い企業に入ってしまうと、給料の未払いが起きたり、他社への支払い未納などで取引がうまくいかず経営不振に陥ったりしてしまうことも十分に考えられます。

そういった企業に入らないようにするためには、支払い能力の有無を確認する必要があります。

生産体制や販売体制がきちんと整っているのか、売上や収入がどれくらいまであるのかというところをチェックしましょう。

売上に関しては、受注状況や資金の余裕から予測が立てられます。

過剰在庫や返品処理などの動きもチェックすることで経営状況を知ることができます。

また、離職率などから、従業員の不満がどのくらい溜まっているのかが予測できるので、経営の安定を確認しましょう。

調査をしっかりしたい場合には調査会社にお任せするのがおすすめ!

与信調査は、転職先の企業がどのような企業であり、信頼できるものなのかを確認できる手段でもあります。

自分で調査を行う社内調査や直接調査、インターネット調査などもありますが、個人で行うには限度があるのも事実です。

そのため、必要な情報を確実に入手するためには調査会社に依頼するのがおすすめです。

調査会社によっては、他にはない情報を持っていたり、独自の情報ルートや調査方法を持っている場合もあります。

また、調査会社に依頼することで客観的な視点から企業を見られるのも良い点だと言えるでしょう。

調査に限界を感じたのであれば、探偵事務所などの専門業者に依頼してみて下さい。

参考文献:企業の信用調査(与信調査)とは?

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